2008年05月31日

送りつけ商法の対処法

 頼んでもいない商品をいきなり送りつけてきて,請求書がついていたり,「箱を開けた場合には返品できません」書かれていたりする悪徳商法を,送りつけ商法とか,ネガティブオプションといいます。
 あなたの知らない商品が送られてきて,箱を開けてしまったとき,どのように対処したらよいのでしょうか?

 まず,安心して頂きたいのは,こちらから「買います」という意志表示をしない限り,代金の支払い義務は発生しません。契約は,「申し込み」と「承諾」がないと成立しないからです。ですから,たとえ間違えて箱を開けてしまっても,代金の支払い義務は発生しません。ですから,送られてきた商品は,ひとまず無視していればよいのです。
 さらに,このような送りつけ商法については,特定商取引法59条によって規制がなされており,商品が届いてから14日間が経過すれば,送りつけられた商品を返還する必要もなくなります。勝手に使っても,文句を言われなくなるのです。
 ですから,商品が届いたからといって,安易にこちらから連絡先に連絡をする必要はありません。むしろ,連絡をすると,言いくるめられたり,個人情報を盗まれる危険があるので,要注意です。相手から連絡がきて大変な場合には,消費生活センターか,弁護士に相談するのがおすすめですね。
ニックネーム 弁護士 中井 陽一 at 14:34| 消費者問題

2008年03月13日

犯罪被害に遭ったが,加害者に住所を知られることなく損害賠償請求できるか?

不幸にも何らかの犯罪の被害に遭ってしまった場合に,
加害者に対して,受けた被害の賠償を請求したいと考えるのが通常だと
思います。
しかし,加害者に自分の住んでいる場所を知られてしまうと,また危害を加えられてしまうのではないかと恐れて,民事訴訟などに踏み切れないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この点,民事訴訟法の規定では,訴状に当事者を特定する事項を記載
しなければならないことになっており,住所も記載しなければならないのが原則です。

しかし,平成15年4月に犯罪被害者等基本法が施行されたのを踏まえて,最高裁判所から,各地の裁判所に対して,「住所を加害者側に知られると危害が加えられる恐れがあるなどやむを得ない理由がある場合は、実際の居住地を記載することを厳格に求めない」という取扱いをするよう通知がなされました。
これにより,訴状に住所を記載しなくても,それに代わる連絡先さえ記載すれば,受け付けてもらえるようになったとのことです。

ただ,実際の運用については,裁判所によっても異なると思われますので,まずは訴状を提出する裁判所に確認した方がよいでしょうね。
ニックネーム 弁護士 相馬 宏行 at 16:43| その他

2008年02月04日

保釈って簡単に認めてもらえるの?

 刑事事件で勾留された被疑者やその家族から,「すぐに保釈して下さい」という依頼が来ることがあります。
 では,保釈とは簡単に認められるものなのでしょうか?
 保釈とは,おおざっぱに言えば,お金(保釈保証金といいます)を裁判所に納めて,身体拘束から解放してもらう制度のことです。
 まず,どのような場合に保釈できるのかは,刑事訴訟法が規定しています。たとえば,一定以上の重罪事件では,保釈は認められません。重罪事件等ではなく,一見,条文上の要件を満たしているように見えても,罪証隠滅を理由に保釈請求がなかなか認められないのが現実です。
 また,保釈にはお金(保釈保証金)が必要です。保釈保証金の額は,事件の内容や被疑者・被告人の資力によって異なりますが,最近は高額化しているようです。なお,保釈保証金は,保釈に際して付される条件を守ってさえいれば,後に返還されます。
 さらに,否認している場合,すなわち,被疑者・被告人が「自分はやっていない」と供述しているような場合,保釈はかなり難しいです。否認すると身柄拘束が続くという事に対しては批判も多いですが,これが現状であると言わざるを得ません。
 いずれにせよ,保釈の見通しは,裁判所・検察官との交渉を経験している弁護士でなければ判断しにくいと思います。被疑者・被告人が,同房の人の噂や留置係の警察官からの話を信じてしまうケースがよくありますが,実際に保釈を請求し,その難しさを知っているのは弁護士だけと言っても過言ではないでしょう。保釈請求を考えておられる場合には,弁護士に相談してみるのがいいでしょう。
ニックネーム 弁護士 富塚 浩之 at 17:43| その他

借金は減らしたいけど,持家があるときには?

 消費者金融からの借金の返済が苦しく,債務整理をしたい。でも,小さな子どももいるし,せっかく数年前に住宅ローンを組んで購入した自宅は手放したくない。こんなときに,何とか自宅は手放さずに,借金を減らす方法はあるのでしょうか?

 そのようなときには,民事再生の,住宅ローン特則という制度があります。
 そもそも,民事再生というのは,借金を約8割カットしてもらい,残りの2割を3年間の分割で返済していく制度です。そして,住宅ローン付きの自己名義の家があり,その家に住宅ローンの貸主(銀行等)の抵当権が設定されている場合に,先ほどの3年間の分割返済に加え,住宅ローンも支払っていくのであれば,自宅を手放さなくてよい,というのが住宅ローン特則です。この制度を使えば,借金を8割カット出来る上に,自宅も処分しなくてよい可能性があるのです。

 ただ,破産よりも手続が複雑だったり,安定した収入が要求されるなど,要件が色々とあります。自分自身で裁判所に申立をすることも難しいですし,司法書士に依頼をすると,監督委員という裁判所から選ばれた弁護士がつき,その分の費用もいる場合もあります。ですので,住宅ローン特則付きの民事再生を希望するならば,弁護士に相談する必要があるでしょうね。
ニックネーム 弁護士 中井 陽一 at 15:54| 破産・民事再生

2008年02月01日

クリックしてしまったら終わりなの?

 携帯のメールなどに,何の覚えもないのに,「××代金として○○円をお振り込み下さい。振り込まなければ裁判します」みたいなメールがくることがありますよね。覚えがなければ,みなさんも無視して削除していることと思います。
 他方で,出会い系サイトだったり,又はメールに載っていたリンク先サイトを実際に閲覧したところ,そのサイト閲覧料として請求がきたら,身に覚えがあるだけに,とまどうと思います。ましてや,間違って,そういったサイトの中の,「同意をする」などというボタンをクリックしてしまったなどという場合には,なおさら,「請求金額を支払わなければならないのだろうか」と不安になると思います。

 でも,心配しないでください。
 一般の契約であっても,契約内容の重要な部分について勘違いや誤解があれば,錯誤無効といって,契約が無効になります(民法95条)。ただし,重大な過失があった場合には,錯誤無効を主張できません。
 ところが,インターネット等の画面での契約の場合,「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」という法律によって,重大な過失であっても,錯誤無効を主張できるのです。
 もちろん,法律上の要件を満たさなければなりませんが,内容をよく見ないでクリックしてしまったり,間違ってクリックした場合には,この法律により,助かる可能性は十分にあるのです。

 請求されたからと言って,安易に支払ってしまうのではなく,その前に,弁護士に法律相談をしてみてくださいね。
ニックネーム 弁護士 中井 陽一 at 14:21| 消費者問題

治療費はいつまでもらえるのか?

 交通事故に遭って通院・入院をした場合,当初は,加害者側の保険会社が治療費を支払ってくれるケースが多いです。ところが,通院・入院が長引いた場合,保険会社が,途中で治療費の支払いを打ち切るケースがあります。
 そうすると,治療費って,いつまで支払ってもらえるものなのかということが問題になります。

 法律的には,症状固定するまでの治療費は,加害者に請求することができます。症状固定というのは,簡単に言えば,治療をしても身体的機能がよくならない状態のことを言います。怪我をして,治療自体により体が回復して痛みが減っていく期間は,症状固定前ですが,痛みは残るが「慣れ」ていくための期間,すなわちリハビリ期間は,症状固定後という扱いになります。
 後遺症が残った場合,症状固定後であっても,リハビリや検査のため,病院に通わなければならないことは当然ありえます。ただ,交通事故の裁判の運用では,症状固定後については,慰謝料の金額として考慮することはあっても,治療費の支払義務という扱いは原則としてされていません。

 他方で,症状固定ではないにもかかわらず,保険会社が一方的に,治療費の支払いを打ち切るケースもあります。特に,治療期間が長くなったり,被害者側にも過失が認められるケースではよくあります。この場合,場合によっては自賠責保険に被害者請求をしたり,保険会社に対して仮払いの仮処分といった措置をとることも考えられます。そういった際には,弁護士に速やかに相談した方がよいでしょうね。
ニックネーム 弁護士 中井 陽一 at 14:20| 交通事故

2008年01月13日

口約束で借金の保証をすると言っただけでも,責任を負わなければならないのか?

知り合いがお金を借り入れるのに付いていったところ,
貸主の方から,「一緒にいるあなた,保証人になってもらえますか?」
と尋ねられて,思わず「はい。」と答えてしまったものの,
保証契約書等の書面は作成していないという場合,
その人は保証人としての責任を負わなければならないのでしょうか。

以前は,口頭だけで保証の約束をしてしまったという場合でも,
そのことが貸主側によって証明されれば,
保証債務を負担しなければならないという結論になる可能性が
十分にありました。

しかし,平成17年4月から施行された改正後の民法(446条2項)には,
「保証契約は,書面でしなければ,その効力を生じない。」
と定められているので,
同月以降においては,口頭の約束だけで,保証契約書等の書面は作成していないというケースでは,保証人としての責任を負う余地はなくなりました。

上記の規定により,少なくとも「保証人になった」「なっていない」という争いは減少することになるでしょう。
もちろん,保証契約の締結に際しては,慎重な判断が必要であることには変わりはありませんががく〜(落胆した顔)
ニックネーム 弁護士 相馬 宏行 at 23:56| 商取引

2008年01月08日

事業を円滑に後継者に譲るためには?

 中小企業や個人商店の経営者が,経営のトップから引退し,後継者に事業を継がせるのは,実は複雑な法律関係が発生します。
 たとえば,会社の不動産や設備が経営者の名義の場合,その名義を後継者に移すにはどのようなタイミングですればよいか。生前にすれば贈与税の対象となりますし,他方で,死亡時に他の相続人がいれば相続争いに発展することもあります。
 このような,事業を後継者に引き渡したり,他の第三者に売却したり(M&A)することを,「事業承継」と言うのですが,最近,この事業承継の重要性が高まってきています。

 事業承継を円滑にするためには,経営者であるあなた自身が亡くなってからでは遅すぎます。ひょっとしたら,あなたは,生涯現役を希望するかもしれません。それはそれでよいとしても,いずれ亡くなった後には,必ず事業を巡っての問題が残されるのです。
 事業承継については,中小企業庁が積極的に啓発に勤めていますし,冊子のダウンロードもできますので,利用するとよいでしょう。
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei20/index.htm
(↑中小企業庁作成「事業承継ガイドライン20問20答」)
 また,実は,弁護士は,事業承継問題に関する法律の専門家でもあります。全ての弁護士が得意分野としているわけではありませんが,もし,具体的事例について相談がしたい場合には,まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
ニックネーム 弁護士 中井 陽一 at 15:21| 相続

2007年12月06日

テナント料が高すぎる!

 バブルの時期に入居したテナントビル。契約は自動的に更新されているんだけれども,賃料は契約当初のまま。バブル後に地価が下落しているのに,賃料が下がらないのはおかしい,という不満を持っている方はいらっしゃいませんか?

 建物価格の低下や,賃料が近辺の同種のテナントよりも不相当に高くなった場合,入居者は,契約の条件にかかわらず,家主に対し,賃料の減額を請求することができます(賃料減額請求権。借地借家法32条)。協議が整わない場合には,裁判所に判断を求めることもできます。
 この場合,基準となるのは,近辺の同種のテナント価格なども参考にはなりますが,裁判になった場合には,不動産鑑定士の賃料鑑定が重要になります。

 近辺のテナントと比較して,あまりにも賃料が高い場合,一度弁護士に相談してみるのが有効な方法かもしれませんね。なお,借地借家法では,賃借人(借主)の地位がかなり保護されているので,賃料の減額を求めてきたからという理由だけで,いきなり契約の更新を大家さんが断ったり,明渡しを求めてきたりすることは原則としてできません。
ニックネーム 弁護士 中井 陽一 at 13:20| 不動産

2007年12月05日

保証人の責任は絶対なのか?

 よく,法律相談で,「『絶対に迷惑をかけないから』と友人から言われて保証人になったのに,友人が破産して,金融機関から請求がきている。どうしたらいいか?」という質問をされることがあります。でも,保証人としてサインをし,ハンコを押した以上,原則として,金融機関の請求を止めることはできません。

 なぜかというと,実は,法律上,保証契約というのは,あくまで金融機関と保証人との間の契約で,借主自身(主債務者。この場合「友人」ですね)は保証契約とは直接関係がないからなんですよね。つまり,保証人と金融機関との間の約束事なので,もともと借主が嘘をついていたとしても,保証契約には直接関係はないわけです。
 「絶対に迷惑かからないと信じたから保証したんだ!」となると,錯誤(民法95条)が問題になってきますが,保証をする以上,ある程度のリスクは当然予想されるべきなので,重過失があるとして,錯誤は認められないことがほとんどでしょう。

 それよりもむしろ,金融機関が,「あなたには迷惑をかけない」と言ってきていたり,保証の極度額に関して嘘をついていた場合には,保証契約が無効になる可能性がでてきます。いずれにせよ,保証人として請求され,しかも,その金額が到底支払えないような場合には,まずは弁護士に相談してみたほうがよいでしょうね。
ニックネーム 弁護士 中井 陽一 at 08:38| その他